整体院など自費治療院の新規集客の有効な手段の一つに、紹介による集客があります。その紹介患者さんについてこんな質問をいただきました。※原文を要約して短くしています
ご質問ありがとうございます。
っちゅうことでこの記事では、この質問にお答えしてきます。
目次
紹介患者さんは本当に質が高いのか?
整体院など自費治療院の新規集客方法で、もっともすぐれたものは紹介である。といった風潮がけっこうあります。どこにそんな風潮があんねん?というツッコミは聞こえてきそうな気もしますが、実際に今回の質問にあるように、「紹介=いい患者さん」という考えが一般的に少なからずあるようです。
僕自身の考えでは、自費治療院において「紹介=いい患者さん」という図式はそれほどありません。
しっかり作り込んでいるという条件が付きますが、ホームページを見て来られた患者さんのほうが、治療院側にとって「質の高い患者」であることが多いと感じています。
でも一般的には、質問された先生のように「紹介=いい患者さん」という考えが多いようです。僕のようなコンサルタント的な立場の人間であればほぼ100%の人が、この考えだといえます。僕のように懐疑的な見方をする人はおそらく皆無。
「紹介=いい患者さん」の理由として挙げらえるのが、
- 集客コストが安い
- 紹介する側に回ってくれやすい
- リピートしやすい
などです。たしかにそんな気がするような、しないような。
まず集客コストが安いについては、これはほとんどの場合は当てはまります。コストを掛けてなんらかの策を講じることによってでなく、自然発生的な紹介であれば、コストはほとんどゼロです。そういった意味では優れているといえます。
では2番目の「紹介する側に回ってくれやすい」はどうでしょうか?
これに関しては、よくわかりません。これまでに多くの治療家に聞いてみましたが、紹介で来られた患者さんが、紹介する側に回ってくれやすいというのはそれほど明確な傾向ではなさそうです。
とはいえ、紹介でこられた患者さんは、紹介する・されるという文化のようなものを最初から持っているという点においては、紹介する側にも回りやすいといえるのかもしれません。
紹介患者さんは勘違いしている
では質問にもあった、リピートに関することはついてはどうでしょう。ここで問題が生じてしまうことが多いようです。つまり思ったほどリピート率が高くない。
なぜそういったことになるのかというと、紹介で来られた患者さんが持つイメージと、治療院側が提供できることに乖離がある場合が多いからです。
これの原因は紹介者にもよくあります。例えば紹介者が大げさに「1回で嘘みたいに治ったのよ!」ってな感じに宣伝してしまうことってよくあります。それを聞いた人は、「私も1回で治るんだ」という期待や認識を少なからず持ってやってきしまうのです。
整体院(接骨院)側からすれば、症状の度合いも違うので同じようにいかないことは当たり前です。でも当人からすれば、全部とは言わずとも、その情報にかなり引っ張られるものなのです。
また「あそこの接骨院よかったよ。行ってみたら?」なんて感じに紹介する人もいます。これだけだと明らかに情報不足なんですが、勝手にいろいろ想像してとりあえず来る。でも自分の想像していたものとはちょっと違うというのはよくあること。
で、実際の結果との違いからがっかりしてしまう。
今の時代、紹介患者さんでも、紹介者だけを信じて来院する人は少ないです。ホームページなどで自分で確認してから来院する人が多い傾向にあります。しかし、そうは言っても紹介者の影響力はそれなりにあるので、大した確認もせずに雰囲気だけ掴んで、来院する人が多いのです。
かたや、紹介者がいない状態でホームページを見る人の根底には「不安」があります。まったく情報がないという不安があるのです。だからサイト内の情報をある程度真剣に確認する必要があるのです。
そうすると、そういった方は紹介患者さんよりも、治療院側の考えや方針などを理解した状態で来院するので、ミスマッチが少なくなる。つまり「質のいい」患者さんになりうるというわけ。
自費と保険の紹介患者さんに違いはあるのか?
この質問については、これだけの情報ではなんとも言えませんが、考えられることについて書きます。
最初にいえることは、保険のほうが安いのでリピートがしてくれやすいのは確かです。治療家側も、通院をサラっとすすめやすいというのもあります。なので、まずはその部分でなにかよくない対応があるかどうかをチェックしてみてください。
自費治療院のリピートに欠かせない問診・説明に関してはこちらを参考に
次に考えられるのが、紹介で来られた患者さんと、あなたができることの相違です。
ひょっとしたら、保険中心の接骨院時代は「あそこは500円で安いしマッサージも気持ちいいわよ」ってな感じで紹介されていたのかもしれません。そして、実際にその紹介者が語った通りの施術をしていた。これならばしっかりリピートしてくれると予想されます。
この場合は、紹介者が説明したとおりのモノが提供されるわけですから、そこに摩擦はありません。でもこれが保険から自費になったときには、説明不足、認識不足による摩擦が生じてしまうことがよくあるのです。当然、そうなるとリピート率は下がっていきます。
ひとつの原因として考えられるのは、保険治療をやっていたときの患者層から、しっかり脱却できていないために起こる、ミスマッチによるズレが原因かもしれません。
紹介患者さんを施術する前にすべきこと
紹介で来られた患者さんに、気持ちよくしっかりリピートしてもらうためには、事前に期待値の調整をすることをおすすめいたします。
紹介で来られる患者さんで、やたらと期待値が高い状態の方がいます。先に書いたように、紹介者の伝え方に問題がある場合があるからです。
紹介した患者さんから「あの整体院に行ったら腰痛が治った」なんて感じに勧められているんですね。先ほどお伝えしたように、人によっては大袈裟に話したり、話を盛ったりします。本当は10回通ったのにちょっと行ったら治った!みたいに言う人もいます。
「コツコツ真面目に10回通ったら、途中停滞期があったけど最近はかなり調子がよくなった」といった感じに詳細に伝える人ばかりではないということです。
なので、結果としてやたらと期待値の高い状態で来院される紹介患者さんがいるわけです。もちろんこれをそのまま施術してしまうと、問題が起きてくることが多々あります。
そこで、紹介で来院された患者さんに関しては、最初に「期待値の調整」を行っておくことをおすすめいたします。
期待値調整の仕方
- どんな紹介をされたかを聞く
- 院の方針や施術について説明する
この二つを行います。
1.どんな紹介をされたかを聞く
こういった質問が苦手な先生は飛ばしてもいいかもしれませんが、できるなら、紹介者の方がどんなことを言って紹介したのかを聞きだします。
- ■■さんに、当院のことをどんな施術するか聞いてはりますか?
- ■■さんから当院のことはどんな感じに紹介されましたか?
- ■■さんにどういった紹介されましたか?
といった感じに質問してみます。
すると何割かは、あるていど話してくれるので、そこからどういった紹介をされているのかがなんとなく把握することができます。そこで「一発で治った!」なんて感じの紹介のされかたであれば、そこはより強くしっかりとした説明が必要だとわかります。
2.院の方針や施術について説明する
これについては問診前などに資料を読んでもらうことがやりやすいです。そしてそのうえで問診や説明で話します。できれば早い段階が望ましいので、問診前の資料を読んでもらった直後がおすすめです。
■■さん(紹介した人)の場合は、急性症状といって急激な力が傷めたものなんです。この急性の場合は比較的早くその痛みが取れます。ぎっくり腰とかはそういった急性です。
でも全員が急性ではなく、当院では9割以上が慢性的な症状の方です。そうすると1回や2回で治ってしまうことはほとんどありません。症状によりますが、7回とか10回とか計画的に通院していただくことになります。
長い時間かけて痛みが出ている状態なので、それを一気に解決することは難しいんです。
●●さん(紹介された人)の状態が急性なのか慢性なのかについては、のちほどお話をお聞きして、詳し検査もしたうえでしっかりご説明させていただきます。ただ、施術に入る前に、症状によっては特に慢性の場合は、すぐには治らない。計画的な通院が必要になる場合がほとんどだということはご理解いただけますか?
以上の二つを実践してみてください。
もちろん、ウチの紹介患者さんは全員理解して来院してくれている!これまでに過剰な期待などもなくすべて順調だ!という院ではとくに必要ないのでやらなくてもいいです。
でも、確かに過剰な期待があるという院は、是非実践してみてください。場合によっては施術を受けずに帰ってもらってもいいかもしれません。ただしその場合は、紹介してくださった方への報告はしっかりしてください。そのまま放置すると紹介者の顔に泥を塗ることになりますので。
まとめ
以上、ご質問にお答えいたしました。
整体院など自費治療院の関していえば、「紹介患者さんはやりにくいことが多い」とおっしゃる先生は多いです。理由としては、今回書いたようなミスマッチの部分もありますし、紹介者の存在もあります。
紹介してくださった方の顔もありますので、対応に困る場合があるんですね。これについては、こちらの記事に詳しく書いています ⇒ 整体院の紹介患者さんはわかっていない
とはいえ、紹介患者さんに苦手意識を持ってしまい、しっかり対応できなくなってしまうのは非常にもったいないです。ここでも書いたように紹介集客はコストが掛からないので、協力な集客手段になり得るからです。
今回の記事を参考に、紹介患者さんの対応の仕組みをしっかり構築し、あなたの治療院の集客経営に役立てていってください。
治療院集客経営講座、加藤でした

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