鍼灸院のホームページで新規集客

弊社(株式会社addwisteria)ではアトラクトブルーという屋号でホームページ制作も行っております。

そちら宛に鍼灸院のホームページ制作についての質問をいただきました。ウェブ集客を考えるうえで参考になる考え方がたくさん入った質問でしたので、このブログでも紹介させていただきます。

鍼灸院の先生からいただいた質問

加藤様

春にサイト作成の件でご質問させて頂きました●●です。
毎回メルマガを楽しみに拝見しております。

今春「小規模事業者持続化補助金」で『新規サイト作成で売上アップ!』をうたって応募しました。採択されたら、加藤様のところに作成依頼したいと思っていました。80万コースを、50万補助金+自費30万で申し込むつもりで…。

採択者の発表が昨日でした。すみません!落選でした。

依頼が難しくなりました。また、完全に採択されるつもりでいたので今、目算が狂ってしまっております。どうしたらよいのだろうか??・・・です。

そこでぶしつけですが、新規サイト作成依頼をする際に聞きたかったことを書かせてください。何かしらアドバイスをいただけると幸いです。

【今のところの構想】※今のサイトはそのままで、新規サイトは別ドメインで作成。

現状「不妊専門」のような切り口である程度結果がでています。ただその分、腰痛・肩こりなどの「よくある一般的な症状」が少ないです。

また、年齢層も30代~40代女性が多く、もっと「中高年」の方が増えるとよいのではと考えます。さらに、患者さんの住所も不妊だと周辺市から多く来ますが、逆に「ご近所」は少なめです。

以上のことから

1)腰痛・肩こりなど一般的な整形外科疾患で、
2)中高年層の女性で、
3)近所(市内レベル)の人を、集めるサイトを作ろうと考えています。

 

質問1|ターゲットを広く取るホームページでもいいか?

トップページを「肩こり・腰痛などの慢性疾患でなかなか治らない人」という感じで広く訴えるサイトは効果が薄いでしょうか?

トップページなどはゼネラリストな感じで、下部構造にそれぞれの「症状ページ」「症例ページ」を作り込んでスペシャリストにすることを考えています。

トップページ(「慢性疾患でなかなか治らない人へ」的なキャッチ)
→腰痛症状ページ
→肩こり症状ページ
→頭痛症状ページ
→自律神経失調症ページ

…のようにします

質問1の回答|広く訴えるサイトでも成果は見込める

症状などで特定せずにあるていどターゲットを広くとるサイトでも十分成果が見込めると考えています。

なので、この先生が考える「トップページをあるていど広めにターゲットをとって、下層のページでより絞った内容にしていく」という案は、有効な方法です。

ただし、まったく同じようなコンセプトの治療院が近隣にたくさんある。また、その同じような院が広告宣伝などに積極的である場合は苦戦する可能性は少し高くなります。

資金面や立地、わかりやすいウリなどを武器にボリュームゾーンを狙うのは強者の戦い方です。それに対し、ターゲットを狭く設定する方法は弱者の戦い方です。

ですから、仮に広く訴えてボリュームゾーンを狙うとしても、少し切り口を変えて差別化したり、その層に響く強みを用意したほうがいいです。

たとえば、競合するライバル院が「1回でなんとかします」を全面に出してきているのであれば、「時間は掛かるけどちゃんとやりまっせ」というメッセージを全面に出すといった感じにです。

またこの先生が狙う層(ボリュームゾーン)は一般的にメディアなどの社会的証明に弱いと僕は感じています。この本に紹介されました!テレビ取材を受けました!ってなヤツです。

本での紹介なんかはお金で買えるので(というかほとんどがお金で買ってます)こういった層を狙ったホームページを作るなら、本の掲載も投資として考えていいかもしれません。

また、腰痛・肩こりと症状のターゲットを広くとるのであれば、他の部分で絞るという方法もあります。たとえば女性専門にしてしまうなんてのもアリです。薬は絶対に飲みたくないという層を意図的に狙っていくのもアリかもしれません。

こんな感じに症状ではターゲットは広くとったとしても、他の部分で絞っていくことで他との差別化を図ることも考えてもいいでしょう。

近所に方に来てもらるかどうかはコントロールしにくいと思います。PPC広告を近隣にだけ出稿するという方法が考えられますが、下層の症状ページなどを厚くしていけばいくほど、遠くても患者さんは来るようになると予想されるからです。

なので、この部分は長い目で見て達成できるかどうか微妙です。

 

質問2|専門院にしたほうかいいのか?

サイト全体を「腰痛専門」・「肩こり専門」…などのような「専門院」をうたった方が効果的でしょうか?

質問2の回答|専門院も一つの有効な手法です

専門院を謳うことは、成果をあげやすいひとつの手法であるといえます。とくに需要そのものが多い腰痛や肩こりで、かつ都心部の治療院であれば非常に有効であると考えています。

ただ逆に需要そのものが少ない症状で、かつ人口も少ない地方だと、あまり専門特化しすぎると苦戦を強いられる場合もあるので、そこはケースバイケースといったところです。

専門院が集めやすいとなると、多くの人が思いつくのが、専門サイトをいくつも作成する手法です。肩こり専門院サイトと、腰痛専門院サイトを別ドメインで作るといった感じに。

確かにこれならば、手間やお金は必要になりますが、集客はしやすいです。しかし注意すべきこともあります。それはスパム扱いについてです。同一の治療院でいくつも別ドメインのホームページを持つことは、SEO的なリスクがあります。下手をするとスパム扱いを受ける可能性もあります。

グーグルの使命は検索する人にとって有益な情報を上位表示させることです。

となると、検索したときに同じ治療院の同じような情報が掲載されたサイトが、ずらずらと上位表示されるという事態は避けたいのです。「全部同じ治療院やんけ!ややこしい!一個にまとめろや!」となるからです。これは検索者にとって優しい構造とはいえません。

なので同じ治療院で複数サイトを作る場合は、同じようなサイトにはならないようにする必要があります。これを書いているのが2017年8月ですが、現時点においてはそれさえ注意すれば2~3サイトぐらいあってもそこまでマイナスにはなっていないと感じます。

以上を認識した上なら、腰痛専門サイトと肩こり専門サイトの二つを作成するという選択肢もアリです。

 

質問3|口コミサイトを使い分けしてもいい?

口コミサイトの件です。コンセプトの違う新旧のサイトをどう使い分けるかという疑問です。

しんきゅうコンパスさんは不妊で効果を出していますのでそのままでいこうと考えます。エキテン(とヘルモア)さんあたりが順位も低くなっているし、新サイトと連動させようと考えています。新規サイトの内容にあわせてエキテンさんの内容を「肩こり腰痛」的な内容に作り直します。

このように、新規サイト向けと旧サイト向けの口コミサイトを使い分けるという使い方はどうでしょうか?

質問3の回答|使い分けOKです

僕のクライアントで使い分けをしっかりしている方がほぼいないので、やってみないとわからないです。ただ、これまでの僕の経験から考えると、ホームページを複数用意できる場合は特に大きな問題はないと思います。

問題があるケースは、ホームページが一つで例えば不妊専門サイトとなっている。その状態で、ポータルサイトでは腰痛専門などと謳っていてその整合性が著しく取れていない場合です。

複数サイトがあって、ポータルサイトで謳っていることと、そのサイトに貼っているリンク先の整合性が取れている場合は、そこまで気にする必要はないと考えます。今回はこれに該当します。

ただし長い目で見て、地域で認知されてきたときに「いったいどっちの専門なんだ?」という疑問を持つ人が増える可能性はあります。これはブランドとしてはマイナスになる可能性はあります。

そういった弊害があることは予め頭にいれておいてください。

 

質問4|鍼灸院集客の基本はホームページですか?

当院は鍼灸専門院で、できれば鍼灸専門院のままでありたいと考えています。整体などのメニューを作り、整体でチラシなどを行いたくない、という意味です。

(新規集客のそもそも論になってしまいますが、)新規集客のツールとして効果的なチラシなどが出せません。

鍼灸院の集客のメインは「ホームページが基本になる」との考え方自体は間違っていませんか?

※チラシ・看板なども広告制限内でも行った方が良い(=いろいろな手法をミックスした方が良い)という趣旨のブログは拝読しております。

以前お会いした際に「(世間的にはダメだと言われているが)鍼灸は差別化しやすいし可能性がある」といったようなお言葉をいただけたことが、大変印象に残っており、勇気づけられました。

ただ現実的に新規集客(鍼灸をどう知って・選んでもらうか)を考えたとき、その手法に悩んでおります。

質問4の回答 鍼灸の集客はホームページが基本

鍼灸院の新規集客はホームページが基本です。なぜならあはき法の7条で定められている広告制限を守れば、オフライン広告はほぼ全滅だからです。

いろいろな考え方があって場合によってはギリギリセーフなケースもありますが、基本的にはオフラインは難しいでしょう。詳しくは当ブログのこちらの記事で ⇒ 今さら聞けない治療院広告の関係法規

鍼灸院がホームページで集客するには

  1. 質の高いホームページを作成する
  2. そのホームページにアクセスが集まるようにする

この二つが必要です。なにをもって質が高いのかは長くなるので割愛しますが、とにかくまずはホームページをしっかり作り込むことが大事。

しかしそれだけではもちろん集客はできません。そのサイトにアクセスを集めることができなければ、どんなに素晴らしいサイトでも患者さんは来てくれません。

なのでアクセスを集めるために、SEO、PPC広告、SNS、ポータルサイト、youtube、オフライン広告(広告制限を守った)などを充実させていく必要があります。これらを地道にやっていくことが鍼灸院集客の王道ではないかと思っています。

また質問された先生も少し触れられていますが、僕は鍼灸は今後めちゃくちゃ有望な資格だと思っています。

整体やマッサージっぽいものは、もううやむやになってしまっていて現実問題として誰でもできるようになっています。それに対しさすがに鍼灸は資格を持っていないと無理です。それだけでもかなりのアドバンテージ。そして守備範囲である適応症も多い。論文の数も他と比べたら多いし、海外での認知度も低くない。

しっかりとホームページを作り込むさえすれば、十分戦っていける状況にあると僕は思っています。

 

最後に

以上、鍼灸師の先生からいただいた質問にお答えしました。参考になったでしょうか?余談にはなりますが、広告制限とホームページについて少し補足をします。

幸いこれを書いている2017年8月の時点において、鍼灸院のホームページは広告ではなく広報扱いとなっていると考えるのが普通です。

医療には「医療広告ガイドライン」というのがあって、ホームページは広報であると記載されています。鍼灸院はこのガイドラインの対象にはなっていませんが、保健所の方に問い合わせると、この医療広告ガイドラインに沿った考えを伝えてきます。つまり現在のところ鍼灸のホームページも広告ではなく広報。

さきほど紹介した当ブログの記事(今さら聞けない治療院広告の関係法規)でも書きましたが、厳密にいうと自然検索なら広報だけど、PPC広告などを出稿したのであれば広告という扱いに変化することもあります。(とはいえ誰もそれで取り締まりを受けていないようですが)

ただ現在は、医療のホームページの扱いをより細かく規定する流れになっています。あはきや柔整でもこういったガイドラインを作ろうという動きが出てきています。これについては当ブログの記事に詳しく書いていますのでそちらを参考に ⇒ 鍼灸マッサージ院にも広告制限のガイドラインができる?

将来のことは誰にもわかりませんが、ホームページ上の表現が厳しくなったり、PPC広告ができなくなったりするような事態も起こるかもしれません。

長い目で見た場合、関係法規をしっかりと把握しつつ、誠実にホームページを作り込んでいくことが、鍼灸院集客のもっとも有効な手段になっていくと考えています。

※追記

医療広告ガイドラインの話を出していますが、医療分野においては2017年に医療法が改正され、医療分野のホームページは厳しくなりました。

これまで医療広告ガイドラインでは、医療機関のホームページは広報であるとの見解が出されていました。しかし医療法においては、ホームページを「広告」とも「広報」ともどちらも明示していません。

厚生労働省医政局総務課に電話で確認したところ、広告であるとか広報であるとかは特に問題ではない。いたずらに誘因している状態であればそれは処罰の対象であるとの説明を受けました。

ただこれは医療機関の話です。2017年以降も何度か保健所に問い合わせておりますが、あはきや柔整においてウェブサイトが広告制限の対象であるとの回答は受けたことがありません。

同じく厚生労働省医政局総務課に電話で確認したところ、現時点では柔整・あはきのホームページは広報扱いであり、柔道整復師法24条やあはき7条の広告制限は受けないとの説明を受けました。

そういった経緯もあり、この記事ではホームページは広報であるというスタンスを取りました。

記事中にもあったように、あはき・柔整でもガイドラインが作成されると僕は思っています。そのときにはじめて明確にホームページの扱いが決定されるのではないかと予想しています。

治療院集客経営講座、加藤でした

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