不正をしているのは一部の柔整師だけか?

「整骨院が保険頼りではなく自費を増やしていけば、結局将来患者の取り合いになってヤバいんじゃないの?」ってな質問をいただきました。

これについはこちらの接骨院向けブログにて記事にしました。そちらでご確認ください。→ 自費整骨院が多くなると結局取り合いになるのでは?

こちらの記事では少し違う話を書きたいと思います。

以前、不正請求って一部の柔整師に限ったことなのか? ってな記事を書いて、大いに苦情が来たことがあります。メルマガなどでもよく怒られるから別にいいんだけど、そのときはコメント欄に「オマエの家知ってるからな」なんて書かれたんで、削除しました。家族関係のこと言われると、弱い。

で、まぁ、もう時間も経ったし、せっかく書いた記事を放置するのももったいないので、再度アップしたいと思います。以下、再アップ記事です。

接骨院の不正請求のニュースを見るたびに思うこと

僕は治療家を相手に仕事をしています。そういった事情があるからか「柔道整復師が不正に療養費の請求をして逮捕された」というニュースをよく見ます。

こういったニュースを受けてか、Facebookなどで、

  • 一部の柔整師が不正をするから大多数のちゃんとやっている柔整師が迷惑する
  • 保険や世間の風あたりが強くなったのは柔整師の質が低下してきているせいだ

ってな感じの発言をたびたび目撃するようになりました。とくに不正しているのは一部だ!という主張はよく見るんですね。

不正をしているのは本当に一部の柔整師だけか?

確かに全員が不正をやっているわけではないでしょう、さすがに。ですが一部という言葉の意味には、全体の半分よりも少ない、ほんの少し、といったような意味も含まれます。だから僕はめっちゃ違和感を感じるんですね。なぜなら「いや、一部じゃないでしょうに」って思うから。

ごく一部の人だけがやっている行為なら、その一部だけを取り締まれば済む話です。だから全体を締め付ける意味はあまりない。でも、これまでの療養費の改定の流れを見ればわかるように、全体を締め付けに掛かっています。

もちろんこれには、財源そのものが足りないといったような他の理由もあるかもしれません。しかしもっと大きな部分では「不正が横行しすぎてるから抜本的に解決するには全体を改定するしかない」というのが正しいのはないかなと、僕は思う。

これまでに療養費について話し合う委員会に何度か足を運びましたが、そこで発言をされている方の言葉の裏に「柔整師はみんな不正をしている」という前提を感じました。直接的な表現はしませんが「どうせ不正をしとるんだろ、オマエらは」ってな感じの発言がたくさんされるのです。

柔整師の質は低下しているのか?

柔整師の質が低下している! といった発言はよく聞きます。(昔は良かった、すごかったという意見は柔整師に限らず社会全体の口癖みたいなもんかもしれませんが・・・)こういった質の低下を嘆く先生の脳内解釈は、質が低下して不正を働くヤツが増えた → その結果保険が厳しくなった → 我々の世代はとんだとばっちりだ! ってな感じなのでしょうか?

僕はこの意見にも違和感を感じる。なぜなら僕がこれまでに接してきた柔整師をみると、どう見ても最近の若い人のほうが、法令を遵守しようとする傾向が強いからです。この記事の話とは関係ないけど、患者さんに対する想いや、治療技術向上のための努力などをとっても、相対的に若い世代のほうが上に感じます。

つまり僕の感覚おいて、柔整師の質は下がっていない。むしろ上がっている。

 

沈みきってしまう前に柔整師の未来を考えよう

柔整師の不正請求は、みんなやっているから。儲かるから。といった理由でこれまで莫大な件数が続けられてきたと僕は思う。そして現在進行形でもそれは行われている。エラそうに書いている僕ですが、当事者であれば、おそらく不正に手を染めていたと思う。これだけみんなやっているものを、自分だけやらないということはかなり難しいですから。

でもね、やっぱりこれじゃあダメなんですよ。不正をするな! というキレイごとで言ってるんじゃなくて、柔整師全体の未来の話としてダメと言っているんです。

これを書いている2017年現在で、すでに保険だけで大きく売り上げを伸ばすことは簡単ではなくなってきています。柔整師の数が多く接骨院がいたるところにあるけれども、外傷患者さんはそれに見合うほど多くはない。それに外傷は、たいていがすぐに治る。

とはいえ、受領委任制度は残っているし、保険が使えなくなったわけでもない。それを必要としている患者さんだっている。このままずるずるいっちゃうと困る人はたくさんいるはずです。

そろそろこのあたりでなんとかしないと、それこそ柔整師でいることの意味が大幅に薄れていきます。極端な話、保険がまったく使えなくなったという最悪の事態が訪れれば、柔整師であることのメリットよりデメリットのほうが大きくなります。もう整体師でええやんってなる。

だから一部の人間が~とか、質の低下が~とか言ってるようじゃいつまでたっても業界はよくならない。柔整師全体で不正はしないという雰囲気を作っていかないと、本当にこのまま沈んでいくんじゃないかと僕は思っています。

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僕はね、自分や自分の家族が大事です。だから自分の商売や儲けのことがもっとも大事。でもね、それなりに仕事もうまく回ってきたんで、当たり前だけど治療家ともたくさん交流しています。そうするとね、やっぱりね業界全体が、少しでもよくなってほしいという願望も出てきたわけ。

だからこそ業界をダメにするんじゃない? と感じるような変な商品は売らないようにしています。訳のわからない技術系のDVD教材とかに手を出さないのは、それが大きな理由です。(もちろん技術系DVD教材がすべてダメといっているわけではありませんよ)

治療院の関係法規についての話だって、はっきりいってまったく需要のない話です。ほとんどの人がそんなに興味がない。だから治療家からすれば、そんな細かい話をされれば鬱陶しいだけだろうけど、いちいち細かいところまで考える。

でもなかなか伝わらないなぁ・・・と感じて、日々悶々としております。「そんな細かいこと言っているから加藤の塾やコミュニティのメンバーは成長しないんだよ」なんてことを言われたこともあります。人になにかを伝えるって難しいですね。焦っても仕方ないので地道にやっていこうかなと思うちょります。

治療院集客経営講座、加藤でした

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