僕がいつも口酸っぱく言っている「芯の強い治療院」を作るには、まず最初に必要なことがあります。それはその「芯」を明確に持つということ。
コンセプトといってもいいし、ミッションや理念といってもいいかもしれません。それら全部をひっくるめてもいい。とにかく、あなたが治療院でなにがしたいの?を明確にしなきゃならんよということです。
これね、本当に大事です。できる人は自然にできちゃうんだけど、できていない人はとことんできない。だからそういう先生はよーく、よーく、よーく考えて芯を決めてください。そうしないとたぶんいくら頑張ってもダメですから。
ちょうどいい例があるので、興味ある先生は読んでくださいな。
ある鍼灸整体院の悩み。時間が余る
セミナーに参加してくださった先生にこんな質問をいただきました。
「施術時間が余って困る。なんかいい解決策ないですか?」と
詳しく説明するとこう。
この先生は鍼灸師で、整体を組み合わせた施術を行っている。
とあるコンサルタントからの教えで、松竹梅の価格戦術を実践。
※松竹梅とは、3つの価格帯の商品を用意し全体的な単価をあげる戦術です
【30分】3,000円 【60分】5,500円 【90分】7,800円
こんな感じの価格設定にしたわけ。
その結果、確かに客単価は上がったそうです。(売り上げは下がったらしいのですが・・・)でも困ったことが起こった。それがこの「施術時間が余っている」という相談。
この悩みをこれだの情報で解決することはできません。
なぜなら問題はもっと根っこにあるからです。
うまくいかない理由はこれ
この鍼灸師の先生との会話を再現してみます。










こんな感じの会話をしました。
この先生の問題は根っこは「時間」の考え方にあります。高い料金を取るためには時間を長くするしかない。と思ってしまっているところです。だから施術を時間制にし、松竹梅の価格差のよりどころを時間においてしまったのです。
なので問題を解決したいなら、時間制を廃止することです。時間以外の価値を付加することで価格差をつけるべきです。
- 道具を変える ⇒ 高価な鍼を使う。
- 環境を変える ⇒ 個室を用意する。
- 他の施術を追加する ⇒ 物療機器を使う。
- 施術や効果そのものを変える ⇒ ●●治療法をする
- 時間帯を変える ⇒ 夜間料金。日曜日料金
- 目的を変える ⇒ 美容コース
などなど、松竹梅の価格戦術とは少し違う部分もありますが、価値は時間以外でいくらでも付けることはできます。
芯がないから行動がブレる
基本的な僕の考えとして、治療がしたいのであれば時間制はおすすめしません。ただ、絶対にダメとまではいいません。なぜなら、いわゆる癒しの気持ちいいという時間だって治療に十分なると僕は考えているからです。
考え方もいろいろあります。
- 治療のみを行い、手技による「気持ちいい」を売るつもりはない
- 治療も売るし「気落ちいい」も売りたい
- 治療はいいから「気持ちいい」時間を売りたい
おすすめは1番ですが、考え方なんでもちろん自由です。
ただ大事なことがひとつあります。それは、自分の考えをまず明確にすること。
順番としては、自分の考えを決める。そしてそれにそって治療院経営をすすめていくことです。芯を決めてそこに肉付けしていくイメージ。
例えば1番が自分の考え(軸)だとします。すると時間制を選択するという可能性はかなり低くなります。仮に時間制を選択したとしても、癒しのマッサージで時間を潰すという選択はあり得ません。
こんな感じに芯を決めてしまえば、それに沿って考えればいいので、行動の方向性に一貫性が生まれます。そこを決めずにさまざまなことを決めようとするから、ブレてしまい余計な問題がでてくるといえます。
何番を選んでいいのですが、軸を決めずに行動するということは意識してください。
芯がないから繁盛しない
さきほど考え方はさまざまだと書きました。もういちどおさらいすると、例えばこんな考え方の違いがあるよと例を出しました。
- 治療のみを行い、手技による「気持ちいい」を売るつもりはない
- 治療も売るし「気落ちいい」も売りたい
- 治療はいいから「気持ちいい」時間を売りたい
でね、これってこちら側にもさまざまな考えがあるように、むこう側、すなわち患者さん側にだってさまざなな考え方があるんです。
気持ちよさなんか問わないからとにかく痛みをなんとかしてくれ。という患者さんもいれば、いや気持ちよければそれでいいのよ。という方もいるのです。
こう書くと、治療院なのかリラクゼーションサロンなのか、といった議論にもなるかと思いますがややこしいのでここではそれは無視します。とにかくいろいろな人がいて、さまざまな価値観が存在するという意味。
となるとですね、患者さん側からすれば、その治療院がどういった考えのもとで(軸で)運営しているかがわかったほうが望ましいのです。そうしたほうが自分にとってぴったりな治療院、ぴったりなサービスが選べるからです。
例えば、こんな価値観を持った患者さんがいたとします。
この患者さんが、冒頭の鍼灸整体院に行った場合、どのコースを選べばいいのでしょうか?【30分】3,000円 【60分】5,500円 【90分】7,800円
多くの場合、患者さんて長く施術すれば治るんじゃないの?と考えがちですので90分コースを選択する可能性もあります。となると、けっこうチグハグな結果になってしまうわけですね。
だって治療家側は時間が余った。やることない。マッサージだるなぁってなってる。
患者さんからすれば、余った時間のマッサージは求めていないのに金払ってる状態。
つまりどっちも損な状態なんですね。
たまに臨機応変に器用に対応していく治療家もいますが、けっこう難しいんですよね、それって。たぶんほとんどの治療家はできないんじゃないでしょうか。
だったら、最初から軸を決める。そしてそれに沿った集客・集患をする。
それで治療家、患者さんの双方が幸せになる。
そんな治療院経営を目指しませんか?
特に1人治療院などはこの考えでしっかり芯を強くしていくことが、結果的に楽しく持続的に繁盛していくひとつの大きな要素であると僕は考えています。
追記。電車が遅れても怒らない理由
北斗星という有名な寝台列車があります。その北斗星がJR北海道側のミスで3時間半遅延したというニュースが、2015年に報道されていました。そのニュースで流されていた乗客の反応はというと、
- 早く動けという感じではなかった。長く乗れてよかった。
- 怒っていたかたとかは?⇒まったくない
- 食堂車で止まったまま食べたりして
- 電車好きなんで…景色見たり、ゲームしたりして
といった感じにみんな笑顔で答えてはるんですね。
誰も怒ってないどころか、むしろ喜んでいる。
もちろん乗客全員がこんな感じではないとは思います。
しかし、これが新幹線だったらどうでしょうか?
ごるあぁぁ!なにしとんじゃJR!と怒り狂う人が続出だと思うんですね。
なぜこんなことになるかというと、目的が違うからです。北斗星に乗る人は電車の旅を楽しんでいる。別に早く目的地に着きたくて北斗星に乗っているわけではないのです。早くつきたければ飛行機にでも乗ればいいわけですから。
それに対し、新幹線の乗客の多くは移動手段として利用しています。早く目的地に着きたいという人もかなりの割合いるでしょう。
人って目的が違えば反応が違うといういい事例だなと思った次第であります。
治療院集客経営講座、加藤でした

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